こんにちは とーしばブログのとしです
2019年12月ヨーロッパに旅行に行ったときに空港のトランジットのため、少しロンドンにも立ち寄りました。 ロンドンには空港で乗り換えるまで時間があったので半日滞在しました。
英語を学んでる人の中にはイギリスに憧れを持つ人は多いと思います。イギリスに興味があってイギリス英語を学んでる人、イギリスにいつかワーホリで行ってみたいという人もいると思います。
僕が現地を訪れた感想としては、 "イギリスは昔はすごかったおじいちゃんみたいな国" という印象を持ちました。現在のイギリスは全盛期の頃よりイケイケな国ではないなと思いました。
今回はそんなイギリスの隆盛と没落について解説していこうと思います。
ルールブリタニア!!世界を制する国
イギリスの全盛期を代表する歌としてルールブリタニアという国があります。イギリスの第二の国歌といわれる歌です。
歌詞のサビの部分で
統べよ、ブリタニア 大海原を統治せよ
ブリトンの民は 断じて 断じて 断じて 奴隷とはならじ
という部分があります。
ビクトリア女王を頂点とした大英帝国は世界の大部分を統治していました。世界各地に植民地を持ちフランスと世界を二分した一大勢力でした。
かつての強国スペインの無敵艦隊を撃破して、ライバルのナポレオン率いるフランス軍にも勝利、産業革命を成功させ、世界中に植民地を持ちイギリスは世界の頂点に立ちました。
かつて世界は女王を頂点としたルールブリタニアの時代だったのです。(Ruleとは統治するという意味があります)
↑世界で有名なイギリスの時計台ビッグベンはまさにイギリスの産業革命のシンボルです。
ビクトリア女王の死で世界は混沌へ
世界に君臨し続けていた海洋帝国イギリスでしたが、1901年ビクトリア女王の崩御をきっかけに少しずつ陰りが見えてきます。
今まで世界の覇権を握っていた屈指の超大国イギリスと世界のパワーバランスが徐々に崩れていきます。
女王の死をきっかけに世界を統治してきたルールブリタニアはゆっくりと終焉へと向かっていきます。
ビクトリア女王はドイツのヴィルヘルム二世、ロシアのニコライ二世、イギリスのジョージ五世とは血縁同士でしたが、各国の思惑により第一次世界大戦が起こります。
世界中を巻き込んだヨーロッパの内戦の始まりです。
イギリスは第一次世界大戦には勝利したものの戦争により国は疲弊します。
ヨーロッパの戦争を背景にアメリカが影響を持ち始めました。革命で王朝を打倒したソ連もまた徐々に力を増していきました。アジアでは日本が少しずつ勢力を拡大していきました。
二度目の世界大戦
第一次世界大戦後は終結したものの、今度はナチスドイツがヨーロッパで勢力を拡大していきます。
イギリスはナチスドイツ率いるファシスト勢力と対立して、二度目の世界大戦が起きます。
フランスはナチスドイツに敗北、イギリスはギリギリのところでアメリカとソ連の参戦でナチスに勝利しましたが
大戦後はイギリスとフランスの二強時代から、アメリカとソ連の冷戦時代に移行します。
余談ですが、チャーチルがイギリスで人気な理由は、大英帝国最後のリーダーであり、イギリスを勝利に導いた人物だったからかも知れません。
新たなアジアの支配者の登場
アジアでもイギリスは絶対的な力を持っていましたが、第一次世界大戦を背景にもう一つの帝国がアジアで頭角を表してきました。大日本帝国です。
日本は欧米列強と肩を並べるため、明治維新から急激に近代化して軍備を強化してきました。
日本は日清・日露戦争と第一次世界大戦を経てさらに力を増していくことで、イギリスは新たな超大国にアジアの覇権を脅かされます。
イギリス本国がナチスドイツと戦っている一方、植民地に駐留するイギリス軍は日本との戦争に敗北します。
日本軍によるイギリス東洋艦隊レパルスとプリンス・オブ・ウェールズの撃沈は、アジアでのイギリス帝国主義敗北の象徴的な出来事でした。
真珠湾攻撃よりも前に攻撃を受けたマレー半島、イギリス最強の要塞だったシンガポールも陥落し、イギリスはアジアでの影響力を完全に失ってしまいました。日本もアジアでの覇権も長く続かずアメリカに敗北してしまいます。
イギリスがアジアでの影響力を失った結果、かつて植民地だった国々は戦後の独立へと向かいます。
戦後フランスは再びベトナムを植民地化しようとしますが、ベトナム人民解放軍の根強い抵抗によりに敗北します。
そしてベトナムはアメリカvsソ連の新たな戦争の舞台となります。
資本主義vs共産主義の戦いの始まりです。
ポツダムでの戦後世界の分割
イギリスとフランスが二度の世界大戦でかつての影響力を失ったことにより、新たにアメリカとソ連が台頭しました。
ポツダムでの会談にフランスは招待すらされず、イギリスもアメリカのおまけという形でしか参加できませんでした。
フランスはナチスドイツに敗北、イギリスはギリギリのところでの勝利だったため、イギリス自体が世界での影響力を失いました。
ポツダムでの戦後の勢力構図にイギリス、フランスはほとんど影響力がありませんでした。
ポツダムはイギリスとフランスの帝国主義の終焉の地だったのです。
EUからブリグジットへ
イギリスは昔ほどでは無いものの、今でも世界で影響力のある国の一つです。イギリス、フランス、ドイツはEUの中でも中心的な役割を持った国でした。
しかし近年イギリスのEU離脱をめぐって議論がされました。結果的にイギリスはEU離脱を決定、イギリスは独自の道を歩むことになります。
今まではEUにイギリスが加盟していることで、人や物流の移動がヨーロッパ本土とイギリスで自由に行き来できました。
EUの恩恵で優秀な人材や安い労働者もイギリスで自由に働くことができました。しかしイギリスがEUから離脱したことにより、今後は人材や物流が自由に移動ができなくなります。
かつては絶大な力を持っていたイギリス、しかしEUでのまとまった勢力として世界で影響力を持っていました。
EUを離脱したイギリスが将来的にどうなるかは分かりませんが、EU離脱後はさらに影響力が低下していくのでは無いか?と思います。
新たな勢力図
新たな勢力図として
アメリカvs中国が覇権争いをしています。
アメリカも少ずつ影響力を失い、中国の台頭 ネオナショナリズムの台頭のニュースをよく目にします。
歪んだ歴史観を持ちナショナリズムを煽る団体 自国ファーストの政治家、移民を排斥を訴える過激なグループなど
常に世界の勢力図は変化しています。かつて影響力があったイギリスに訪れてみて、キラキラしたイギリスのイメージだけでなく、歴史を学んでロンドンを訪れたことにより歴史の流れが少し分かりました。
イギリスはかつてほどの影響力を失ったものの、旧イギリス領の国々はイギリスの伝統を受け継ぎ
イギリスの植民地だった国々では英語が公用語または準公用語として使われています。
英語はイギリスによって世界語の地位を占めています。
皆さんも英語を通じて世界の現状について学ぶきっかけにしてもらえばと思います。