とーしばブログ

こんにちは、とーしばブログのとしです。オーストラリア、ニュージーランド、カナダの3カ国でのワーホリの体験談、フィリピン、マレーシアでの留学経験。読書や勉強で得た知識や考えやニュージーランドでの投資についてブログで発信しています。

ベルリンアマゾン倉庫バイトの体験談/潜入ルポ② 【ドイツワーホリ】

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こんにちは、今回はアマゾン倉庫での仕事についてです。

僕は2023年7月にアマゾン倉庫で1ヶ月だけ働いて辞めました。仕事は深夜シフト(1:00〜9:00)でした。 

たぶんベルリンのアマゾン倉庫で働いた日本人は自分が初じゃないかな?って思います。

ベルリンのアマゾン倉庫で働いているのは、アデコ派遣社員と直接雇用に分かれていますが、僕はアデコ派遣社員として働きました。

  

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1:30から仕事なので、1:15分に来て更衣室で着替えます。更衣室には名前と自分の顔写真が貼られておりすぐ分かります。仕事が始まるまでには更衣室や休憩室で休憩室しても大丈夫でした。

更衣室はかなり綺麗で新しかったですね。

服はズボンとシャツは自前で用意しますがベストと靴は会社から支給されます。最初の新人とうちは黄色である程度したらオレンジのベストを使いました。


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↑靴はこのような安全靴を支給されます。透明な水筒も支給されました。

 

深夜1:00~仕事開始

今日は、どの位置、配置で、どの仕事かはあらかじめ大きなモニターに写されます。だいたいモニターの前に人が大勢集まってて、場所が分からなければ、スーパーバイザーに聞けば教えてくれます。

アマゾン倉庫の配置はセクションがA〜Dまで分かれてて、さらにレーンが1〜50まで分かれていました。

 

僕はだいたいStowストーの係でした。たまに楽なポジションに入れてもらったり、Stowストー以外のポジションにもつけましたが、けっこう作業によって楽な作業と大変な作業がありました。

今から振り返ってみると、このStowがけっこう大変で、ひたすらアマゾンの商品を仕分けてボックスに入れてを繰り返して息つく暇がないくらいでした。

 

 

 アマゾンのデバイスで仕事の状況を管理される

僕がやっていた Stowストーの仕事は商品を仕分けてボックスに入れていく作業です。

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商品をピックアップするためのスマホみたいなデバイスと小さなスキャナーを渡されて、それに自分のIDカードとデバイスがリンクします。

ログインしたら仕事が始まるという仕組みで休憩中にログオフにして、仕事が始まったらまたログインして仕事を開始するという仕組みです。

一日の仕事が終わるとログオフをしてデバイスを返却して仕事終了という流れですね。

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このデバイスで仕事の速さも測られているので、仕事が遅いと、たまに呼び出されて軽く注意されます。パソコンで一日の仕事の始まり、休憩時間、従業員の仕事の速さや出来具合を全て管理されてる感じはしました。

 

効率的に仕事をして利益をあげるアマゾンの非人間性を感じましたね。今から考えると、従業員はロボットというか人間扱いされてなかったのかなって思います。

アマゾンの海外のネット記事で多様性とか、優れた労働環境、従業員中心の○○、社会に貢献などなどと書いてあったりしますが、リアルとネット記事は全然違います。あくまでアマゾンの職場の状況がよく見えるようにするプロパガンダ的な感じですね。

 

Stowストーの仕事

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ベルトコンベアで商品がどんどん運ばれてくるので、それを取って決められた番号のレーンに商品をこのような棚に置いていくPicker ピッカーの人がどんどん棚に商品を置いていきます。
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そして、その商品を各ボックスに入れていくのがStowストーの役割です。
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この棚に商品が置かれていくのですが、作業が少しでも遅れたり効率よくできないと商品が棚に溜まっていきます。なので必死に商品を仕分けしていました。

 

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↑大きな商品はこのような後ろにあるカゴに乗せていきます。
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このように箱が並んでいるのでそこに商品を詰めていきます。最初は1レーンだけの担当なんですが、仕事に慣れてくると2レーンを担当して仕事をすることになりました。2レーンでも忙しい時は本当にいっぱいいっぱいでしたが、慣れてくると3レーンを担当してやることになるみたいです…

 

1レーンだけでも大変で2レーンで溜まっていく商品を同時に仕分けていくのでかなり急ぎながら、自分で考えながら効率よく仕事を進めていきます。そして、たまにやり方についてあれこれ言ってくるスーパーバイザーもいてイラッとしてました。

 

 

たぶん机上の空論というか、仕事のやり方のマニュアルみたいなのがあったんだと思いますが、マニュアル通りにやっていたら、とても作業が追いつかないので、スーパーバイザーがいないところでは自分でやりやすいやり方をしてましたね。

 

それに比べて、仕事のできるスーパーバイザーは、たまに手伝いに来てくれました。そういうスーパーバイザーは自分が作業に追われてどんどんダンボール箱が溜まっていってるとすかさずやって来て助けてくれましたね。

 

ブロックを担当するスーパーバイザーは、日によって違うので、なかにはフラフラとほっつき歩いて作業者に「Hurry up !Hurry up!急げ!急げ!」って言って手を叩いたりホイッスルを吹いてるだけの人とかがいたので、そういうスーパーバイザーには軽く殺意が湧きましたね。。

 

そういうスーパーバイザーは口だけ達者で、何もせずに従業員を追い立てるだけって感じでした。そういう時は、自分がまるで牧羊犬に追い立てられる羊になったような気分でしたね。

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このような台車に乗せて商品を運んで各ボックスに入れていきます。そのボックスも横列がA〜Dまであって縦列が4つ、両方にボックスがあります。Dは遠いので近場のAから優先的に入れていきます。

慣れてきたら2列掛け持ちでやってたんですが、日によっては反対側のレーンを担当することもありました。

たぶん誰か休んだり、人が辞めたら担当するレーンが増えたりして負担がどんどん大きくなるんだと思うんですが、こういう作業のやりにくさや負担で人がしょっちゅう入れ替わってましたね。

アマゾンで働いていて思ったのが、人件費を削減して効率を重視しておきながら、新人が仕事を覚えたと思ったら、どんどん辞めて新しい人が入っての繰り返しでむしろ効率が悪いなって思いました。

自分の周りでも、自分と同じ時期に入って来た人、自分の1、2週間違いで入って来た人、入って1、2ヶ月目の人ばかりだったのも頷けます。
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ペットボトルの水は持ち込み可能なのでこのように台車に乗せてました。スーパーバイザーによっては水筒を置くのがダメって言ってくる人もいたり地味にルールがめんどくさかったです。

ルール厳守のスーパーバイザーだと、間違え商品を置きにいくのに、ちょっと持ち場を離れたら注意して来たりとカタブツな人がリーダーになっている日は仕事がやりにくかったです。

 

ボックスに詰めていく作業がなかなか大変

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↑このようにボックスにどんどん商品を詰めていくのですが、まるでテトリスのように大小さまざまな形の商品がランダムに来るので間、間へと商品が収まるように入れていきます。

これを効率よく考えながらやるのですが、大きな商品が連続できた時なんかは大変でした。

 

商品が異常に多いボックス、少ないボックスに偏りが出てくるので商品が多いボックスは仕事の最後の方になると商品が入りきらなくなるんですよね。

そういう時は無理矢理詰め込んでいました。あくまで効率重視なので、この間にもどんどん商品が棚に溜まっていきます。

いっぱいになって入りきらなくなったら、ボックスの上にあるバーコードをデバイスに読み込んでボックスを入れ替えます。そのやり方も最初は分からなくて手間がかかりました。

しかも、たまに違うレーンの商品が流れて来るので、それを読み込んで間違えた商品を入れるボックスまで入れに行く作業もありました。
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↑デバイスで商品を読み込むとこのようにボックスのライトが光ります。これによってどのボックスに商品を入れるかがすぐに分かる仕組みになっています。

こうしたアマゾンの工夫をたまに「従業員がゲーム感覚で楽しみながら仕事を仕事をするように工夫されている」というアマゾンの仕事効率についてのネット記事を見かけますが、、僕から言わせればアマゾンが最大限の利益を効率的にあげるシステムの一つでしかないなという感じでしたね。

とにかく必要最低限の人数で休む暇なく働かされている感じでした。

 

 

この仕事を一言で表すなら「牧羊犬に追い立てられる羊の心境で、ひたすら、早くて大きなテトリスを複数掛け持ちでひたすらやってる感覚」ですかね。。

 

爆音でインドの音楽がかかってる職場

さすが海外の職場だけあって、音楽は自由にかけれる環境でした。僕以外のアジア人皆無で、黒人とインド人しかいなので、四六時中、爆音でインドの音楽やラテン系の曲がずーっとかかってるっていう職場でした。大きなスピーカーがあるのでそこから音楽がかかってきます。


↓例えばこんな感じの曲ですね。だいたい曲調は似たような感じなので、ずーっとこういう曲が爆音で流れている中で作業していました。

 

インドの大学生、大学院生たち

この職場で働いていたら何人かのインド人の若い大学生や大学院生と仲良くなりました。ドイツは大学の学費が無料というのもあるでしょうけど、MBA(経営学を大学院で学ぶ学生) 、ITなどを学んでいるとのことでした。

話を聞くとインド人学生の人の多くは、昼間は勉強して夜はAmazon倉庫で働いているとのことでインド人パワーを感じましたね。

 

Pickerピッカーの仕事

僕は少ししかやってないんですが、Pickerピッカーの仕事もやりました。ピッカーはベルトコンベアから流れてくる商品を各棚に置いていく仕事です。このピッカーの作業は主に女性がやっていました。

 

とあるドイツ語のアマゾンの求人サイトにはAmazonは基本的に重い商品が少なく、台車で商品を運ぶので女性など力の無い人でもそこまで辛く無い仕事になっています。」と書いてますが、たまに大きな商品もありますし、そこまで重量はないのですが、とにかくコンベアから流れてくる商品の数が多かったですね。

 

コンベアの商品がたくさん流れてくるので、たまに取りこぼしがあったりして、たまにスーパーバイザーから注意されました。

それでも1人で 2つ、3つのレーンの棚の商品をピックするので取りこぼしもけっこうありましたね。

 

コンベアの取りこぼし商品の仕分け

僕が個人的に楽だなって思ったのが、 コンベアの取りこぼし商品の仕分けですね。

Pickerピッカーが取り損なった商品はコンベアから台車の中に落ちます。その台車がいっぱいになったら空の台車に交換して、商品がいっぱいになった方の台車を押して各レーンに仕分けるという作業ですね。

 

アマゾン倉庫で働いて初めて知ったのですが、コンベアの仕分けで取り損なった商品が高い場所から落ちたり、商品の上に重い物がドカンと乗っかったりしていました。これだとかなりの確率で破損する可能性が高いなーって思いましたね。

アマゾン倉庫で作業してる人も、一つ一つ丁寧に扱うわけではないので、段ボールがたまに潰れてたりします。
なので、ドイツのアマゾンでガラスや陶器類などの壊れものは買うのはオススメしないですね。

 

商品を仕分けてコンベアに流す仕事

続いて商品を各レーンに運ぶコンベアーに流す仕事です。この仕事もわりと楽でした。

ベルトコンベアにもいくつか番号があるので、自分の担当の複数のベルトコンベアに商品を流します。

そこでも段ボールは基本的に投げらたりしていました。そうしないとどんどん製品が溜まっていきます。

ここでは3人一組になっていて、大きな台車から商品をベルトコンベアに載せる人、バーコードのシールをハンディーという小さな機械で貼る人、そして各番号のベルトコンベアに流す人です。

僕は主に、ベルトコンベアに流す人や台車から商品を下ろす人をやっていました。

ハンディはある程度、ベテランの仕事に慣れた人が素早くやっていました。

 

4:00から30分休憩

休憩は4:00から30分ほど休憩がありました。食事は各自で持ってきます。僕はだいたい簡単なジャムパンとか、サンドイッチみたいにして持って行きましたが、ささっと食べて仮眠を取っていました。

インド人や黒人の同僚はその国の料理とかを弁当に入れて持って来てる人が多かったです。

 

スタッフの入れ替わりが激しい

アマゾン倉庫で1ヶ月働いてただけでも、新しい人が何人か入ってきたと思ったら、いつのまにか自分の隣のロッカーが4つくらい空いてて、どんどん人が入れ替わってたりしました。

 

従業員にとっては忙しいだけのプライムデー

僕はこの職場にいる時にアマゾンプライムデー( 7月10日〜15日)の忙しい期間も働きました。

プライムデーって要するに顧客にインセンティブ(セールとか)を与えて、消費を促して売り上げアップを狙ってるってだけで、いくら忙しくてもアマゾン倉庫で働く従業員は時給変わらないんですよね。。

従業員にはアイスやピザが昼休憩に出るくらいでしたね。それはそれで嬉しかったんですが…

 

アマゾンのセールの正体ってなんだろ?って言ったら、つまるところ売り上げアップをするのが狙いで、だからこそ定期的にセールとかやってるんだなって思いました。(これはどの企業でも言えるのですが従業員にこういう忙しい時の売り上げは還元されません。。)

 

利益と数学だけを追っているマクナマラの誤謬そのままの状況

 今から振り返ってみても、こういう利益の最大化と効率だけを考えた仕事や職場だと人もすぐ辞めるよなーって感じましたね。

自分たちは利益を出すためのコマであり、 生産性をあげるためだったり効率よく管理された数字として扱われてるって感じでしたからね。

 

こうした状況はまさにマクナマラの誤謬そのままだなって思いました。

アマゾンの上層部は数字だけを追っていて、実際の現場にはほとんど顔を出さないですし、顔の見えないトップと現場のスタッフとのギャップや分断された感じです。

自分は、ジェフベゾスやアマゾンの株主の顔を直接見たことはないし、話したことはないですが、確実に彼らの意思(利益の最大化)が反映されて、このような職場が出来上がってるんだろうなって思いましたね。