こんにちは とーしばブログのとしです。
前回は【働くこと】について、会社に雇われて働くということを話しました。
前回と引き続きベースにするのが、マルクス【賃労働と資本】です。
⇒この本を要約すると、会社で働くこととは自分の時間(自分の命)を会社に売って、その対価にお金を得るということでしたね。
そして 労働の価値 〉時給の値段
であり働く側は会社で働いて生活していくためのお金しかもらえないという話もしました。
そして、どんなに仕事がんばって、成果を出していたとしても、あなたの成果の全てはすでに会社のものであり、あなたは1時間働いた800円、900円のお金をもらうに過ぎないのです。
どんなに頑張っても会社にあなたが仕事で頑張った利益や成果を売り渡した状態が、会社で働いている状態と言っていいでしょう。
*仕事をがんばっても、がんばらなくても、自分の受け取る給料は変わらないのだから働いてもやりがいを感じなかったり、ただ仕事が辛いだけと言うのもわかる気がします。
自分たちは働いていることによって知らず知らずのうちにこういった状態になっているんですね。
会社に雇われて働くか、自分で起業して働くかに関係なく、このことを知ることは、とても大切なことだと思います。
マルクスは危険なイメージだけど、知るべき内容を書いてある
マルクス【資本論】といえば、社会主義や共産党の危ないイメージを思い浮かべますが、本来、マルクスは働く側と雇う側と資本主義の関係について書いていただけであって、働く側はマルクスに知っていて損はないと思います。
もちろん、ロシアにしても中国にしても共産党がやったことには賛成できませんが、あとの人たちが共産党とマルクスを結びつけて、危険なイメージを植え付けて、資本主義の本当のホンネを働く人たちから遠ざけたというのが、ホントのところでは無いでしょうか?
こういった事は、世間一般や学校では絶対教えてくれないです。
学校や世間一般や政治家は、自分たちの都合の悪い事は教えてくれないと言っても、過言ではないですね。
自分の給料=会社の売り上げでは無い
今回の本題ですが、たとえば、、僕たちがバイトで時給800円とか900円1000円でアルバイトをしているとします。そしてお店で商品を売っているとします。
お店で働いて、例えば1時間あたり800円とか900円でお金をもらいますが、、
実際には、、
お給料として受け取る〔お金〕=〈お店の利益〉では無いんですね。
どんなに、お店の売り上げが良くても自分の給料は関係なくて頑張っても頑張らなくても時給は変わらないんです。
実は、会社に雇われて働くということは、仕事で頑張った成果はすでに会社に売り渡した状態なんです。
バイト代は経営者があらかじめ、1時間あたりに支払うお金です。1時間あたりの売り上げが、多くても少なくても時給は同じなんです。
経営者からしたら1時間あたりで少しでも多くの利益を出して欲しいのが本当のところです。バイトがサボっていたり、仕事をしていなくて怒られるというのはこういう理由なんですね。
もしも、バイトを雇っていて何の利益も出さないとしたら、1時間に支払ったお金が無駄になってしまいますよね?
そして、実際はみんな真面目に働くので、バイトが働いた時給が800円、900円なのにもかかわらず、それ以上の利益を生み出してくれるんです。
給料の価格はどうやって決まる?
みなさんの賃金労働の平均価格ってどうやって決まってると思いますか?
実は、働く側が生活していくために必要最低限の金額を支払ってるだけで、それ以上でも以下でもないんですね。
生活していく上でお金があまり必要でない地方では、必然的に最低賃金が低くなり、東京や大阪のような大都市であれば賃金は高くなります。
地方では時給800円900円くらいが普通ですが、生活費が高い都会になれば1000円以上の時給が支払われる仕事もたくさんありますよね?
→つまり働く側が生活する必要な最低限の額を支払っているだけなんです。
★ちなみに年功序列で年齢が上になればなるほど給料が高くなるシステムも本来は、家族を養っていく上で必要な給料のお金も入っているから高くなります。
★そして、人手不足な仕事は、本来なら人を集めるために給料を高く設定してあったりします。でも実際はそうじゃなくて、最低限の人数で回していたり給料は何十年勤めても低いままというのが現状です。
労働の価値とは?
なぜ企業は労働者の労働力をお金で買うのか? なぜなら人間の労働が加わっていると大きな価値を生むことができるからです。
本来は働いて得た利益は働いた人のものになるんですが、、働いてお金を得ると言うことはその労働を会社に売ると言うことです。
なんでもそうですが、例えば、道具とかでも原料の状態で自然のままの状態より、働いて人間の手を加えた方が便利で使いやすくなりますよね?
→自然にあるものは人間の労働が入って初めて価値が付く、労働によってなんらかの付加価値が付く
→本来であれば人間が働いて得たものはその人のものであり、自然界から人間が取り出して初めて価値が付きます。
例えば、土地を耕すとしますね?
その使えるようになった土地になぜ価値があるかというと、、、もちろん人が働いて耕したからです。
そこから畑にして、タネを蒔いて麦を育てて、最終的にそこからパンが作れるんですね。
⇒自然の状態の荒れ地から最終的にパンにすることで価値が生まれるんです。
企業や経営者は労働力を使うことで大きな価値を生み出せることを知っているんですね。
自分のホテル勤務の経験
僕自身、ワーホリでのホテル経験からわかるのですが、掃除する1ルームあたりの価格が500〜1000ドルくらいです。 そして自分の時給というのは、その何十分の1にしか過ぎません。
そんなルームが1つのホテルに何十部屋とあるのですから、その1日の売り上げと言うのは莫大なものです。
1ルームの価格 〉1時間あたりに掃除する部屋の数に対してもらえるお金
ホテル側と言うのは、自分たちの月の給料を支払っても、余裕でまかなえるくらい利益を上げていると思います。もし1時間あたりの部屋の料金が、そのまま給料に反映されているとすれば、ものすごい値段になっていますよね?
もちろんホテルの仕事は、さまざまな部署の人たちが働いているので、そのまま全ての人の給料に売り上げを反映させることができません。
しかし、全ての従業員の給料とホテルの1ヵ月の売り上げを見比べると明らかにホテルの売り上げの方が多いことに気がつきます。
一か月のホテルの売り上げ(利益) VS ホテルの従業員すべての人件費とその他の税金やホテルの維持費や経営に必要な費用
*もちろんホテルの維持費や管理費、経営費用や必要な備品等にも莫大な費用がかかるかもしれません。それでも、ホテルの1ヵ月あたりの売り上げ全てを換算すれば、それでも余裕でお釣りが来るような気がします。
そういったことを絶対に上の人たちを教えてくれません。ヶ月あたりの売り上げはそれで得た利益がどれぐらい、従業員に還元されているか? なども上の人たちが計算しているんでしょうけど、下の人たちが知れるではありませんよね?自分たちはただ黙々と従順に働いているだけに過ぎないのです。
もちろん、僕がニュージーランドで働いていた職場は有給がとれ、ほぼストレスフリーで働けて、日本で働くより圧倒的に時給が良くて、その職場には今でも感謝してます。
そしてこのマルクス【賃労働と資本】を読んだことで、社会の裏側を知るきっかけになりました。
オーストラリアやニュージーランドは時給が高く、有給が取れたり福利厚生もあり雇う会社も良心的なところが多いような印象があります。
しかし日本の場合は時給が安く、働く側が不利益なのが顕著であるように思います。
日本の待遇を見ると給料が安いのに、働くストレスも多くて働く側が不利益を被ることが多いなとワーホリから帰って思うことが多々あります。
最後に
時給をもらうということは、それだけ安定して働けるものの時給以上のお金は受け取れないんですね。
しかも、もらえるお金は生活を維持するだけのお金であって働けなくなった瞬間から生活ができなくなるんです。
今回のコロナで生活ができなくなった人がたくさん出たというのも、こういった労働者と会社側の関係を反映していると思います。